あくる日私は、目を覚まさない。
そのあくる日、私は目を覚まさない。
ずっと目を覚まさない。
ドクっ。ドクっ。ドクっ。
心臓の音だけが鳴っている。
看護婦が私に声をかけている。
「マジェンタさん、点滴の交換しますね〰。」
その瞬間!
私は目を、覚まさない。
いつも通り。
また夜が来た。
隣の病室から少し大きめのイビキが聞こえてきた。
「グゥーーー。グゥーー。」
イビキの大合唱が病室と隣の病室を結ぶ唯一のアレだ。
私は目を覚まさない。
どんなことがあろうとも私は目を覚まさない。
一体何年過ぎたのだろう。
私はついにシビレを切らしてしまった。
私は目を覚まさない。
覚まさないようになっていると自覚はしているが、ここまで目を覚まさないのは不思議である。
意識はあるが目を覚まさない。
はぁ〰
もう疲れた。
その瞬間!!!
私は目を覚まさない。