なんちゃってDTMerのラグオです。
僕は時間がある時にちょくちょくDTMをしているのですが、2〜4小節のループを作ってはそこで満足してしまい、曲として完成するところまで持っていく事ができずに終わってしまうことが多々あります。
まだまだスキルが足りないのに、完成度にこだわり過ぎているからこういうことになってしまうんですね。
そんな時、友人から「なんか切ない、哀しい感じの曲作ってくれない?」とリクエストがあったのですが、正直バラード系(?)の曲は作ったこともないし正直苦手。。。
どうしたものかと考えていた所、自分のMacには「GarageBand」というソフトが入っており、「Appleloops」と呼ばれるループ素材が沢山入っていることを思い出しました。
既に用意されている素材を使うことは生粋のHIPHOP野郎(自称)の僕としては抵抗がありましたが、「今回はそういうこだわりは捨てて作ってみよう!」と思考を切り替え、GarageBandを使って曲を作ってみたところ、驚くほど簡単に曲が作れてしまいました\(^o^)/
今回は、そんなGarageBandというソフト、特にその機能の1つである「Appleloops」についてご紹介します。
この記事の目次
Macユーザーなら無料で使えるDAW「GarageBand」
そもそもGarageBandが何なのか簡単に説明しておきます。
GarageBandはMacを持っている人なら誰でも無料で使用できるDAWソフトです。
DAWって何なのかというと、「Digital Audio Workstation」の略らしく、要するに「パソコンで楽曲編集ができるソフト」のこと。
GarageBandは無料にも関わらず、DAWとして十分な機能を備えています。(もともとは有料ソフトだったようです)
GarageBandはiOSアプリ版もあるので、iPhoneやiPadを持っていれば同じく無料で使えるので、名前くらいは見たことある人も多いのではないでしょうか。
GarageBandの目玉機能「Appleloops」とは?
そんなGarageBandに搭載されている機能の1つが「Appleloops」です。
Appleloopsとは、著作権フリーで使用できるオーディオ素材(録音された音)で、ピアノやベース、ギターやドラム、パーカッションやシンセの音など、種類も豊富に用意されています。
フリーのオーディオ素材という点では特に珍しくもなんともないのですが、Appleloopsの素晴らしいところは、「テンポやキーを勝手に合わせてくれる」ことです。
GarageBandでは、そのプロジェクトのキー(コード)を設定出来ます。
CだったりF#だったりDmとか、日本語で言うとト短調とか、ヘ長調みたいな、小中学校の音楽の授業でやったアレですね。
はっきり言って楽譜の知識がない僕にとってはなんのこっちゃ全然わからないのですが、その分からない部分をGarageBandが勝手に補完してくれるわけです。
適当なループ素材をクリックすると、プロジェクトで設定したキーに合わせて再生してくれます。
これ、かなり助かります。
適当にループ素材を選んで組み合わせていく作業はとても楽しいです!
そして、楽しんでいる間に曲ができあがってしまいます。
「Appleloops」を使って一曲作ってみた
そんな便利なAppleloopsを利用して、曲を作ってみようと思います。
起動時にギターとか色々選べるようになっていますが、ここは「空のプロジェクト」を選択します。
するとこんな画面になると思います。
新規でプロジェクトを立ち上げたら、まずは曲のテンポとキーを設定しましょう。
テンポとキーは画面上部真ん中あたりで設定できます。
今回作るのは「せつない感じの曲」なので、なんとなくBPMは遅めで88にしておきます。
キーですが、「メジャーは明るい感じで、マイナーは暗い感じ」という程度の知識はあるので、なんとなくでマイナーキーにしておきます笑。
今回は「Cm」に設定しました。(日本語だとイ単調になるのかな?)
※ここでは「キー」と表現していますが「コード」と言い換えたほうが分かりやすい方もいるかもしれません
メインとなるフレーズを「Appleloops」からチョイス!
早速、Appleloopsを使用してみます。
キーボードショートカットで「O」を押すと画面右側にAppleloopsの一覧が表示されます。(ゼロではなくてアルファベットのOです。ループだからOと考えると覚えやすい!)
一覧の上部にはループのカテゴリが表示されており、ここをクリックすることで表示するループを絞り込むことが出来ます。
ベースやドラムなどの楽器だけでなく、ジャズやエレクトリック、リラックスなど雰囲気で絞りこめるのが良いですね!
曲作りの手順は人によって違うと思いますが、自分はメインとなるフレーズから決めていきます。
なんとなくピアノが良いかなと思ったのでピアノを選択し、下部に表示された一覧でループを探します。
ループをクリックすると、設定したテンポとコードに合わせた形でサウンドを確認することが出来ます。
既に作成したトラックを再生した状態でクリックすると、曲に合わせた形で再生してくれるのでとても便利です!
「Skyline Piano」というループ素材が切なさMAXだったので、このループを使用してみます。
使用するループが決まったら、そのまま真ん中のシーケンス画面の適当なトラックにドラッグするだけです。簡単ですね!
早速、画面上部の再生ボタンを押してトラックを再生してみましょう。
登録したループが再生されると思います。
ちなみに再生を押したままだとそのまま何も入ってない所まで再生され続けてしまうので、再生したいところだけループするように設定しておきましょう。
シーケンス部分の上の方に小節数を示す数字が並んでいる所があるので、そのあたりをクリックすると黄色いバーが表示されます。
この黄色い部分を動かすことでループ再生する範囲を設定できます。
メインが決まったら次はドラムを組み合わせよう
メインフレーズが決まったので、次はそれに合うドラムを選びます。
ここからがAppleloopsの本領発揮です。
トラックを再生しながらAppleloopsを選んでいくことで、メインフレーズとタイミングがあった形でループを再生してくれます。
ループを組み合わせたときのイメージがその場で確認出来るので、ループの選択が捲ります!色んな組み合わせを試していくだけでも十分楽しめますよ。
今回は「Dark Hall Break」というドラムループを使用することにしました。
先程と同じように適当なトラックにドラッグしてシーケンスに登録します。
ここまで来れば、もう曲は8割完成しているといえます!
「え?これだけで?」と思う人もいると思いますが、曲の展開とか細かいエフェクトにこだわるのならともかく、ループベースの音楽は上ネタとドラムが決まればほぼ完成したようなものです。
ループをドラッグして曲の構成を組む
あとはループを並べていき、曲の展開を簡単につけていきます。
ループはドラッグすることで移動できますし、ループの端を引っ張ることで長さの調整も自由自在にできます。
とりあえず簡単に
・イントロ8小節
・バース16小節
・フック8小節
・バース16小節
・フック8小節
・バース16小節
・フック8小節
・アウトロ8小節
というシンプルな構成にするつもりでループを並べてみました。
※バースとはカラオケでいうAメロやBメロのこと。フックはサビのことです。HIPHOP業界ではこういう表現をします。
フックに別のループを重ねてそれっぽくしよう!
このままだと、バースとフックの音が全く同じになってしまうので、フックの部分だけループを足してみます。
ここでも先程と同じように、トラックを再生しながら合うループを探していきます。
「Empire State Horns」がとてもドラマチックで涙腺が緩んだので、これにします!
フック部分が華やかになりました!
これでバースとフックの違いも表現することができました。
これで一曲完成!!簡単ですね\(^o^)/
あとがき
いかがでしたでしょうか。
ご紹介してきたようにAppleloopsを使用すれば、音楽知識が全くない人でも簡単な操作で直感的に曲を作ることが出来ます。
もちろんクオリティーを求めるのであれば、この後に各トラックの音量バランスを調整したり、イコライザーなどのエフェクトを使って各ループの音質を調整したり、もっと細かく音の抜き差しを入れて曲にアクセントをつけたりと、色々やることはあります。
ただ、曲の大まかな構成であればご紹介してきたようにAppleloopsを選んでマウスでドラッグしていくだけで簡単に組むことが出来ます。
実際にAppleloopsを使用して作られたヒットソングも多数あるようで、素材としてのクオリティーは十分と言えるでしょう。
今回はAppleloopsに焦点をあてているので、細かい編集などの説明は省きますが、ループ素材自体を編集してオリジナリティを出すことも可能です。
「DTMを始めてみたいけど、難しそうで躊躇してしまう」
という方はもちろん、
「曲作ってるけど良いフレーズが浮かばない」
「操作が難しくてその点で挫折してしまう」
という方は一度、この「Apple loops」を使用してみてはいかがでしょうか。