SKY-HIの音楽はジャンルや常識に囚われない。だからこそHIPHOP!

前回に続いて今回は、HIPHOPアーティストとしてのSKY-HI氏について書いていきたいと思います。

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音楽ジャンルは「SKY-HI」精神性はどこまでもHIPHOP

SKY-HIの楽曲はとにかく多様性に富んでいます。

ディスコサウンド、ファンク、ソウル、ベースミュージックなどブラックミュージックを基軸とした曲が多いのですが、時にはロックを取り入れたり、自らピアノを弾いたり、juzzのエッセンスを加えたり。

そしてポップに振り切る時は思いっきりダイナミックに振り切る。

音数や使う楽器も伝えたいメッセージに合わせてベストなものを選んでいる印象です。

インタビューには度々マイケルジャクソンやプリンス、ジェームスブラウンの名前が上がりますが、そういった先人たちのバトンを受け継ぎつつ、ブルーノマーズなんかのUSトレンドのノリも匂わせつつ、幅広いトピックをテクニカルなラップスピットで表現しています。

なおかつ純日本産の香りを損なわないのはフックで歌われるメロディーにJ-POPエッセンスが含まれているからでしょうか。

とにかく、楽曲の振り幅がとてつもなく広い。

音楽性だけを切り取ったら「HIPHOPアルバム」というよりは「SKY-HIというジャンルのアルバム」です。

それでも僕はSKY-HIはバリバリのHIPHOPアーティストだと思います。

人それぞれHIPHOPの定義や好きなところは異なると思いますが、僕がHIPHOPにおいて特に好きなところは、

・「こうあるべき」の枠を破壊する

・逆境を跳ね返し糧とする

このようなレベルミュージック、カウンターカルチャーの側面です。糞食らえ精神というか。

この点SKY-HIほどにバイアスの掛かった視線に晒されて来たラッパーも、それを跳ね除けて認めさせてきたラッパーもいません。

「所詮はアイドル」という声に打ち勝ち、たった5人のお客さん相手に歌ったクラブデビューから武道館まで到達して、AAAだから云々という批評をすること自体がダサいという空気に変えてしまいました。

この成り上がり方、勝ち上がり方はまさしくHIPHOPだと思います。

生き様でHIPHOPを表現するアーティスト

abema timesのインタビューで「HIPHOPの精神性とは?」という質問にSKY-HIはこのように答えています。

「自分が自分であることを誇る」ことです。もちろん日本にもそれを理解してる人は少なからずいるし、僕は自分がヒップホップな人間だとも思う。
だけどそれを吐露し続けることは、僕がシーン内部に媚を売るようなただのポーズでしかなくて、誰に対してもサービスにはならないからやらない。

僕はSKY-HIは、曲中というより生き様でヒップホップを表現するアーティストだと思っています。

アルバムOLIVEのシングルカット曲「Double Down」で歌われているように「一番高いオッズからいつだってひっくり返してきた」のです。

例えばILL-BOSSTINOにはBOSSしか書けない「ボスイズム」があります。
誰も成し得なかったことをやってのけそれを歌詞に載せるという点で、SKY-HIにも「SKY-HIイズム」を感じます。

最後に僕が一番好きな「Walking on Water」の歌詞を引用します。

色眼鏡すらもアドバンテージ
いつしか嘲笑は歓声に

常識だなんて概念じゃ縛れやしない
俺をジャンル分けする事がそもそも間違い

安心しな しっかり掴むNo.1
俺にとっちゃ水の上を歩くように簡単さ

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この記事を書いたライター

キーユ
キーユ死にかけの不死鳥
1985年生まれ。
ギャグ記事やWEB、音楽、ゲーム、育児などを書いています。
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著書:新種発見!69匹の愉快な生き物図鑑

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