【書評】アイデアのつくり方 ジェームス・W・ヤング 〜夜空に光るカレーうどん〜

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60分で読めるけど一生あなたを離さない本

この本の帯に書かれた紹介文です。

あながちこの表現は大げさじゃありません。何せこの本、たった62ページなんです!

ちょいとお風呂入りながら、または飛行機や新幹線移動の間に読み終わってしまいます。

それでいて、この本の後に出た(88年初刊)アイディアや発想法にまつわる本のほとんどは本書から派生したと言われるほど世界中に影響を与えた本らしいのです。

アイデアのつくり方

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ちなみに作者はジェームス・W・ヤングというアメリカ広告業界の重鎮です。

アイデアは突然降ってくるものではなく天才だけのものでもない

昔の船乗り達の間で、海図の上では何もなかった場所に突然島が出現したという話のように、アイデアも急に心の表面に浮かんでくるものだとヤングさんは考えていたそうです。

しかし、南海に現れる島は無数の珊瑚虫の海中における仕業であると科学者達が解き明かしたように、アイデアも目に見えない一連の心理過程が最終的に結実した姿なのではないかというところからこの本はスタートします。

さんご

アイデアの浮かび方に一定の法則性を見いだそうという途方もない試みです。

そして閃きというのは一部の先天的才能に寄るものではなく、望めば誰にでも手に入る産物であり、車と同じように製造過程は一定の流れ作業なのだと筆者は言います。

原理と方法

どんな技術を習得する場合にも重要なのは第一に原理、第二に方法であり、アイデアもその例に漏れないのだそうです。

特殊な断片的知識というものは急速に古ぼけていく知識であり、原理と方法こそ全てである、とヤングメン。

重要なのはアイデアをどこから探してくるかではなく全てのアイデアがつくり出される方法と全てのアイデアの源泉にある原理を把握する方法なのである。

とあります。

ここらへんまでは雲を掴むような表現が続きます。

アイデアとは既存の要素を組み合わせる事

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。

これがアイデア作成の原理の最も大切な事実だと、ヤングメンは歌います。

要するにこれは、カレーうどんみたいなことですよね。

かれうど

そして2番目に大切な原理は複数の既存の要素を1つの新しい要素に導く才能、つまり事物の関連性を見つけ出す才能に依存するということだそうです。

なんか新しい食い物考えられないかなぁ。そういえば人気のある食い物っていうのは刺激物と炭水化物の組み合わせで出来ていることが多いよな〜」ってな感じですかね。

アイデアは心の中で5つの段階を経て生まれる

実際にアイディアが生成されるには5つの段階があるのだそうです。

そしてこの5つの段階の関連性を認め、1つの段階が完了するまでは次の段階に入ってはならないとも言っています。

ヤングによればまず第1の段階は

1.資料の収集

であり、この至極単純明快な真理が、実際にはいつも無視されているのだといいます。

そしてこれはとても骨の折れる作業であり、生易しくないとも。

資料には特殊資料と一般資料の2種類があり、特殊資料とは売ろうとする製品とその製品を売りたいと想定する消費者の資料です。

例えばモーパッサンという小説家がある作家から教えられた優れた小説を書く勉強法の一つに、タクシー運転手を一人捕まえ、他のどの運転手とも相違ないように見える「彼」を世界中のどの運転手とも違った独自の人物に見えるようになるまで観察し研究しなければけないといった話が出てきます。

たく

製品と消費者についての身近な知識について、我々はいとも簡単に情報収集を止めてしまいますが、この話のように十分深く掘り下げるとすべての製品とある種の消費者の間にアイデアを生むかもしれない関係性がみつかるのだといいます。

一般的資料とは、平たく言えばすべての資料です。

人生のあらゆる面に魅力を持ち、宇宙のことからハナクソのことまで幅広く興味を持ちましょうというような内容です。

アイデアとは新しい要素の組み合わせだからこそ、知っている要素は多いほど可能性は広がる、というわけです。

ヤングメンさんはあらゆる資料をかき集め、それをスクラップする作業を習慣としていたそうです。

「刺激物ってなんだろなー。味の濃いもの・・・醤油、塩こしょう、七味・・・。」

2.資料の咀嚼(そしゃく)

集めた資料を、触ったり、あっちに向けたりこっちに向けたり違った光にあてたりと色々な角度から眺めてみることが第二の段階です。何かと何かの関係性を探す段階というわけです。

「米に七味振りかけてみよう、まずっ!じゃあナスにブドウ乗っけてみよう、紫同士だし。まずっ!パープルまずっ!」

そして奇妙な事に、事実をあまりまともに直視しない方が思いがけない発想に出会えるともヤングメンは言います。

まるで、横目で眺めたときだけ翼が見えるという神、マーキュリーのように。

マーキュリー

この時、部分的なアイデアがフワっと浮かぶので、それがどんなに些細なものでも書き留めておくべきだそうです。

「東洋の味と西洋の味を組み合わせるのはどうだろう・・・。」メモメモ。

さらに、このパズルを組み合わせる作業に疲れて嫌気がさすのもこの頃なのだといいます。

そしてそのまま組み合わせの模索を止めなければ、絶望状態に立ち至るのだといいます。

何もかもが心の中でごっちゃになって、どこからも明察が生まれてこない。

ここまできたとき第2段階が終了し第三段階に移るということです。

ダメだ、新しい食べ物なんて考えなくていいや!とりあえず腹減った!既存の食い物食おう!そうだうどんにしよう」

3.絶望

第三の段階までくれば、直接的にはなんの努力もしなくてよいのだそうです。

問題を全く放棄すること。心の外に投げ出してしまう事。これも不可欠な段階だそうです。

無意識の領域に放ったらかした問題。それを眠っている間に勝手に動き出すのを待つのだといいます。

シャーロックホームズが捜査を投げ出してワトソン君を音楽会に誘う場面のように。

ほーむず

自分の感情や想像力を刺激するものに身を預ける段階、というわけです。

4.出会いは唐突に

そして第四の段階は、放棄したはずの「あの問題」が雷のように唐突に、そして完成に限りなく近い姿となって脳天を突き刺すときです。

例えば網版印刷という技術を発明したアイヴス氏は、この問題に強く取り組みすぎてノイローゼ気味に布団に入った次の朝、目を覚ました瞬間に完全に解決されたプロセスと操作を開始している装置がありありと見えたのだといいます。

images (1)

↑網版印刷

「あ、うどん食おうと思ったけど麺つゆが無くなってたの忘れてた!どうしよー醤油かけて食うかなー。あ、昨日のカレーの残りあるな・・・。ん!!!????」

ついにカレーうどん誕生です。

アイデア生成の最終段階は、生まれたばかりの可愛いアイディアちゃんを世界に連れ出し、過酷な現実と折り合いをつけさせる作業です。

世界に連れ出してみると、素晴らしかったはずのそのアイデアがいかに脆弱かに気づくはずだとヤングメンはいいます。

「やっぱりうどんは日本の食べ物や。カレーをかけるなんて邪道なんや・・・。みんなに馬鹿にされてもうた。」

アイデアが実際に力を発揮するには現実という過酷な環境に適合させるため多くの手を加える必要があり、ほとんどのアイデアが陽の目を見る事無く死んでいくのは、ここで自ら生み出したアイデアが素晴らしいものではなかったのだと耐えられなくなってしまうからなのだそうです。

「カレーよりうどんを強調して、単品ではなくそば屋やうどん屋の1メニューとして売り出してはどうかな・・・」

ここまで来たとき、ついにおいしいカレーうどんは世界に羽ばたきます。

って感じでササっと読めちゃうのですが、短いのに意外と要約するのが 難しかったです。

やっぱり本物を読むのが一番ですね。

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最後までご精読ありがとうございました。

ちなみに樹クリエイション内ではアイディアだけは連日ガンガン生まれているのですが、時間が無い!

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