2014年凱旋門賞の見所と日本出走馬のドラマ①ハープスターとベガの物語

皆さん、バーニャカウダ!(いかがお過ごしでしょうか?)

「小学校2年生の2学期までペガサスに育てられた男」こと樹クリエイションのキーユです。

早速ですが、10月5日の日曜日にフランスにて「凱旋門賞」という世界中の競馬好きが熱くなるフェスティバルが行われます!

ですので今回はそのフェスティバル「凱旋門賞」について、競馬なんて興味ないぜって方にも魅力を伝えられるよう頑張ってみたいと思います!

凱旋門賞ってな〜あに?

凱旋門賞は世界最強馬決定戦と言っても過言でない由緒あるG1レースです。

競馬界のオリンピック、ワールドカップ、WBC、リンボーダンスという位置づけの一大イベントといっても良いかもしれません。

競馬の歴史それ即ち凱旋門賞の歴史なのですが、その権威を手に入れるべく過去幾多の日本代表の馬たちが挑んできました。

中でも2006年、日本至上最強馬の呼び声も高い英雄・三冠馬ディープインパクトが満を持してチャレンジした際はテレビ視聴率が夜中にも関わらず50%を超えるなど日本中が湧きました。

しかし、まさかの結末に落胆しました。

ディープで無理なら、もうずっと無理だ・・・。そんな、絶望にも似た空気感を覚えています。

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しかし記憶に新しい2012年、ディープ以来の三冠馬オルフェーヴルが頂を目指し挑みます。

ディープが涼しい顔をして結果を出し続ける優等生タイプの天才だったのに対し、オルフェはバリッバリのヤンキータイプ。

三冠を取った歴史的レース直後に騎手を振り落とすわ、勝手にコースアウトしていなくなってから神の如き末脚で追い込んでくるわ。しかも毛色は金髪です。

その破天荒さ故にディープの時かそれ以上に勝利を期待されました。

しかし圧倒的な差で抜け出しながらゴール数十メートルのところで勝利を取り逃してしまいます。

騎手によるとゴール直前で言う事を聞かなくなって内側にヨレて(コースアウトして)いる間に抜かれてしまった模様・・・。

ヤンキー故に世界を出し抜きながら、ヤンキー故に破れてしまいました。(オルフェは翌年も挑戦し、またも2着に敗れてしまいます・・・)

このように、史上最強クラスだった日本代表ですら負けてしまうのが凱旋門賞です。

そう、これまで92回の歴史を誇る凱旋門賞を、日本の馬は未だ勝ったことがないのです。

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今年の日本馬とドラマチックすぎるストーリー

さて、少しばかり競馬の魅力について伝えさせて頂きます。

競馬というと、ギャンブル。そしてなんだか小難しい競馬新聞や専門用語を連想する方も多いかと思います。

しかしロマンチックな映画や小説、漫画が好きな人は競馬にハマる素養を持っている人であると僕は断言します。

競馬は時に作られた物語を凌駕するほどドラマチックです。

事実は小説より奇なりなんていいますが、本当に奇跡的なドラマが巻き起こったりするのが競馬なのです。

ハープスターとベガ

例えば今回挑戦する日本馬の中で最も期待されている3歳牝馬(メスってことですね)ハープスター。

彼女は、今年4月に行われた桜花賞という例えるならば日本一強い女子高生を決めるレースで優勝するなど、その驚異的な追い込みで海外ブックメーカーからも凱旋門賞全出走馬の中で2番人気の評価を受けています。

彼女について少しドラマを記します。

時は1993年、「北の一等星」を意味するベガという名の牝馬が競馬界を湧かせます。

ベガは、生まれつき足が曲がっているという致命的な欠点を持っていました。

その為競走馬としては売り物にならず、生産者である社台ファームの社長の妻の所有としてデビューすることになります。

ベガは、当時そこまで実績の無かった松田博厩舎に入って調教を積みますが、足の曲がっている不利を感じさせないほどの才能を徐々に開花させて勝ち星を重ね、ついに天才・武豊ジョッキーを背になんと桜花賞とオークスというビッグレースを立て続けに勝ってしまいます。

「西の一等星(ベガは関西の厩舎所属でした)が東の空にも輝いた!」という三宅アナの実況が印象的です。

その後ベガは輝かしい戦績を残しながらも脚部不安で引退し、お母さんとなります。(ちなみにベガのお父さんトニービンは凱旋門賞を勝っていたりします)

競走馬の世界は、優秀な馬ほどその子供にも期待が集まり、優れた遺伝子を残すべく期待の種牡馬(お父さん)と交配されます。人間と一緒ですね(?)

ベガも例にもれずサンデーサイレンスという社台ファームが輸入したばかりの期待の種牡馬と種付け(セックス)して子供を生みます。

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サンデーサイレンスの子供達はこの後日本競馬の歴史を全て塗り替えるとてつもない大旋風を巻き起こすのですが、女王ベガの子はその中でも段違いでした。

長男のアドマイヤベガは競馬界の最高峰であるダービーを見事に制してしまったのです。

背中には武豊、厩舎は母と同じく松田博。

母譲りの瞬発力で母子での世代日本一という大快挙を達成します。

「母ベガの2冠達成から6年、その息子が輝きの一等星に!」

という実況が偉業の凄さを物語ります。

さらにベガが凄まじいのは、次男のアドマイヤボス、三男のアドマイヤドン、四男キャプテンベガも1線級で大活躍したところです。長い競馬の歴史の中でもこんなに優秀な母はいません。

しかし、ただ一つ問題があります。

競馬は種牡馬の血を代々残していく他に、「牝系」という優秀な女系の血を大切にしていく文化があります。

優秀な母は、何にも代え難い宝なのです。

ベガの子供達は優秀でしたが男の子が多く、唯一生まれた女の子ヒストリックスターは母に似て脚曲がり、体質も弱くデビューする事なく繁殖牝馬になります。

奇しくもヒストリックスターが1歳の時にベガは亡くなってしまったので、ヒストリックスターがたった一頭残された牝馬の後継ということになります。

ヒストリックスターはベガの忘れ形見として当然期待を受けますが、生まれた長男、長女は母に似て虚弱体質。

素質は見せるも大成することはありませんでした。

しかし、2014年。

その馬は現れます。

寝藁という馬が寝るときに下に敷く布団の役割をしているワラを食べてしまうほどの食いしん坊で、虚弱だった祖母や母の血を受け継いでるとは思えないその馬は圧倒的な強さを見せつけ、ついには世界の頂へと挑戦するのです。

その馬の名をハープスター。

父に英雄ディープインパクト。その父親にサンデーサイレンス。

厩舎はもちろん松田博厩舎。

馬名の由来は「一等星」

祖母ベガの2冠制覇から21年が経った、ある秋のドラマです。

※凱旋門賞は10月5日(日)の午後23時30分発走、フジテレビとグリーンチャンネルで放送があります。

この記事を書いたライター

キーユ
キーユ死にかけの不死鳥
1985年生まれ。
ギャグ記事やWEB、音楽、ゲーム、育児などを書いています。
記事制作やレビューのご依頼お待ちしています!ツイッターかお問い合わせからお気軽にご連絡ください。
著書:新種発見!69匹の愉快な生き物図鑑

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