バーニャ・・・カウダ・・・。
それではハープスター、ジャスタウェイに続いてゴールドシップとそのお父さんのステイゴールドの物語を記事にしたいと思います。
超問題児、ステイゴールドの黄金旅程
ゴールドシップの父、ステイゴールドはサンデーサイレンスと良家のお嬢さんの子供なので、かなりのエリートとして生を受けたことになります。
が、しかし。
真っすぐ走らない。逸走する。調教中に立ち上がる。人間に反抗して言う事を聞かない。
そんなクレイジーゴナクレイジーっぷりが災いして素質を見せながらもなかなか勝つ事が出来ません。
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2着、2着、また2着・・・。力はあるので良いところまでいくものの2着止まりというレースが続きます。
ステイゴールドの凄いところは、G1の大舞台でも2着に来てしまうところでした。
超伏兵として望んだ天皇賞春で2着、どうせそれはマグレだろうと舐められた宝塚記念で2着、秋の天皇賞では2年連続の2着。
この時代の超強い馬達を相手に堂々渡り合いながら一歩及ばない、かと思えば遥かに格下の相手と走っても2着・・・。
その意地らしく可愛いキャラは「シルバーコレクター」と呼ばれファン達から絶大な人気を博すようになります。
いつかまじめに走ったらとんでもない強い馬なんじゃないか。
そんなワクワクした気持ちにさせてくれる馬でした。
そして2000年春にはドバイへ遠征し、ブービー人気ながら当時の世界最強馬ファンタスティックライトら下して日本産サンデーサイレンス産駒として国外初勝利を上げます。
国内では勝てないのに、世界最強馬には勝っちゃうの?
実にステイゴールドらしい下克上スタイルな勝利でした。
しかし、そんなステイゴールドも年齢的な衰えが目立ち始め、翌2001年には得意の2着にも入れなくなるどころか、大敗を続けてしまいます。
陣営は引退を決めます。
最後のレースに選ばれたのは香港のG1レース「香港ヴァーズ」
競争生活通算50戦目、戦い疲れた戦士の最後の戦場としては申し分の無い舞台です。
香港では馬名の表記が漢字に変換されるのですが、ステイゴールドの馬服に書かれたのは「黄金旅程」
なんだかステイゴールドの長かった旅をそのまま表したようなキャッチコピーです。
そして、レースが始まります。
直線に入っても先頭の馬とは大差があり、差を詰めながらも届きそうにない絶望的な状況。
しかしラスト50m、まるで何かから解き放たれたかのようにステイゴールドは加速します。
その時の豪脚を、乗っていた武豊騎手は「羽根が生えたようだった」と表現しています。
最後の最後だけ本気で走ったかのかもしれません。
実はこれがステイゴールドにとって、初めてのG1制覇でした。
通算50戦目、「シルバーコレクター」が43回の敗北の末に辿り着いた初の金メダル。
人々はこの時やっと気づきます。
ステイゴールドが魅せたのは「黄金旅程」という長い長い映画だったのだいうことに。そしてその出来すぎた結末がもたらしたロマンに。
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↑自分のウンコの匂いを嗅いで全く同じ場所にウンコを追加してしたり顔のステイゴールド
黄金旅程第2章
と、ドラマチックな競争生活を終えてステイゴールドは種牡馬となります。
当初、あまり期待はされていませんでした。
他に無敗の王者やダービー馬、世界中のスーパースター達が君臨している種牡馬界にあって、50戦7勝のヤンキーの需要はそこまで高くなかったのです。
しかし、ヤンキー列伝第2章はその競争生活と同等以上に過激でドラマチックでした。
子供達は、ステイゴールドの狂気の血を見事に受け継ぎ、暴れ、噛み付き、逸走します。
もちろん人間の言う事、聞きません。
例えば代表産駒の三冠馬オルフェーヴルの伝説のレース。
大大暴走の末に巻き返すというマキバオーでも描かれないようなむちゃくちゃな走りです。
ちなみに過去の三冠馬達には皇帝や英雄などカッコいい通り名が付けられてたのに対しオルフェは「暴君」です。・・・納得です。
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ゴールドシップは最強の気分屋
今回の主役ゴールドシップもステイゴールドの血をバッチリ受け継いだ問題児です。
・毎日遊んであげないと暴れる
・遊ぶとシャツを破られる
・気に入らない人or馬の存在を察知すると暴れ出す
・調教は基本的にやる気なし
・調教で出くわした馬を威嚇する時は殺る気マンマン
・トーセンジョーダンを見かけると必ず蹴りに行く
・パドックでは異様に大人しい
・…と思ったら本馬場入場時にヒャッハーロデオ
・輪乗りで他馬を威嚇、相手が古馬でもお構い無し
・厩舎に帰ってくると、隣の長浜厩舎の馬がざわめく
だそうです・・・。
特にトーセンジョーダンを見かけると必ず蹴りに行くというのが面白いですよね。
当時、トーセンジョーダンはトレーニングセンター(馬がいっぱい集まって調教するところ)のボス的存在だったらしいのですが、ボスを倒しに行ってたのでしょうかね。
レースぶりも圧巻です。
「雨でドロドロになったら脚をとられてしまうので内を進むのは避ける」というセオリーをガン無視した皐月賞。
出遅れて絶望的なところから盛り返して圧勝した有馬記念。
負けるときは完膚なきまで、理由も見当たらないのに負けます。
でも、勝つときは鬼強い。
とにかく気まぐれ、しかし気分が乗ったら誰にも負けないのがゴールドシップ。
関係者から「走ってみるまで分からない」なんて言われちゃう馬はなかなかいませんが、そのつかみ所のないキャラクターが魅力です。
そして、今回凱旋門賞に挑戦する3頭の日本馬のうち、一番勝利の可能性があるのがオッズ的には一番低いこのゴールドシップであると思います。
同じ気分屋としては応援しないわけにはいきません!
凱旋門賞は日曜日の23時30分発走、フジテレビでも放送があるそうです。
歴史的瞬間を見逃すなかれ!!
この記事を書いたライター
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1985年生まれ。
ギャグ記事やWEB、音楽、ゲーム、育児などを書いています。
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著書:新種発見!69匹の愉快な生き物図鑑
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