なぜ医薬品業界は「一度入ったら辞められない」のか元MRの視点で考える

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どうも、三途の川でカヌーに明け暮れる男、キーユです。

さてさて、前回前々回とMR(製薬企業営業)に関しての業務内容的な記事を書いてきました。

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今回は業界全体についての記事です。

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医薬品業界はおいしい?現状や展望のまとめ

僕が新人のころ、いろんな先輩や上司から言われたセリフに

「医薬品業界は他の業界と比べて温かい(ヌルい)よ。一度この業界の水に浸かったら抜けられないし、他業種に転職してもみんな舞い戻って来るんだ。」

当時はよく分かりませんでしたが、4年ほど勤めて、そして業界を離れてみて少しその言葉の意味が分かるような気がします。(戻りたい、という気持ちはありませんが)

それでは、なぜMR/製薬企業が美味しいのか、その言葉の真意に迫ってみたいと思います。

「薬価」が国に守られている

製薬会社の目的は薬を売ることです。

医薬品と他の製造業の違う点は、薬の価格は国が決めている点です。

例えばボールペンもジュースも家電でも、複数のメーカーが定価を決めて小売店や卸業者に販売しています。

各社の間には価格競争が生まれ、結果として価格に対して品質の高い商品や安価な商品が選ばれ、それ以外は淘汰されていきます。

健全な市場原理が働いています。

薬はどうでしょう。

薬の価格は原則として2年に一度、厚生労働省によって近2年の市場実勢価格(市場においくらで出回っていたか)を基に一斉に値段を決めらます。これを「薬価」といいます。

薬価とはすなわち、患者負担+保険者負担を合わせた価格です。

僕たちが病院や薬局で買う薬は3割(お年寄りは1割)負担の価格ですので、患者と保険者の負担する薬代を合算したものを薬価といいます。

薬代は患者が3割を払い、薬局が保険者に残りの7割を請求(レセプトといいます)することで支払われます。

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薬局は卸から薬を買います。薬価が1000円の薬を800円で買えば薬局は200円の利益が上がります。

卸はメーカーから薬を仕入れています。800円で売る薬を600円で仕入れていれば200円の利益です。

メーカーは600円で薬を売るわけですが、原価は実際100円も掛かっていない場合がほとんどです。(薬にもよります。古い薬は赤字まみれです)

ここまでの流れで何を伝えたいかといいますと、薬価が高ければ高いほどメーカーの利益率は良くなるわけです。

そして新薬の薬価は高止まりし続けることが多いので、特許が切れるまでの20年間、

高い利益率で売りまくれるのです。

ジェネリックにおいては特許の切れた新薬と同効の薬を扱うので開発費が掛かりません。こちらもまた、利幅の広い商売が可能になります。

それもこれも、すべては薬価が決められているからこそです。

ある日突然価格が暴落することもなければ、商品価値が脅かされることもありません。

薬価-卸値-原価=利益という構造のうち、大元の薬価が決まっているので後は卸値の設定と原価の削減をしてけば、儲けの概算が立ちます。

あとは量をどれだけ捌いていくかだけです。

そのため製薬企業の収益は安定し、社員も高待遇で迎えられるのです。

国によって守られる薬価。これが医薬品業界の地盤を盤石なものにしているのです。

数少ない成長産業

今後世界では、人工知能や遺伝学、ロボット工学、ナノテクノロジー、そして宇宙開発などが成長産業と目されているようです。

未来のことはさておき、現在とこれから数年を考えたとき、日本で成長産業といえる分野はとても限定されてしまいます。

少子高齢化の社会ではほぼ全ての業態で市場のパイが小さくなることは確実なので当然といえるかもしれません。

そんななか医療や介護の分野は国内でも数少ない成長産業です。

日本の医療費は40兆円、医薬品市場は10兆円(世界2位)、周辺機器も含めた世界の医療業界全体の市場規模は500兆円を超えると言われています。

東邦ホールディングスグループ(東邦ホールディングス、東邦薬品、東邦システムサービス)の新卒採用情報を掲載しています。

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参考

また、世界の製薬企業ランキングをみても、武田薬品が16位、アステラス製薬が18位、第一三共20位、大塚製薬21位と健闘しており、あらゆる製造業で日本企業が辛酸を舐める中、国際競争力を維持している産業でもあります。

このような背景もあり、医薬品業界はまだまだ活気があり、金回りもいいのです。

景気に左右されない

景気が良くても悪くても、人は病気になります。

いくら日経平均が下がっても、恐慌が起こっても、人が病み健康を求める限り薬は売れます。

不景気の煽りを受けにくいことも医薬品業界の安定に繋がっています。

人が優しい

上記のようなことから、この業界で働く人たちには余裕があります。

とくにベテランの方々や上層部の方は品と優しさを持った人が多かった印象があります。

僕は建築業界からの転職なので、パワハラやうつ病や自殺というワードが連日飛び交う罰ゲームみたいな業界からのギャップに当初はむしろ戸惑ってしまいました。

疑心暗鬼になるクセがついていたので、この人はとても優しいからウラがあるのでは、この人がこんなによくしてくれるのは何かあるに違いない・・・。

しかし、それは好意であり思いやりだったのです。

もちろん、ダークな部分がないわけではありませんが、居心地が良いから辞めたくならない、そんな面もあるのが製薬業界かもしれません。

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勝利の美酒が美味しすぎる

製薬業界の勝利の美酒は医療機関に自社製品を採用して頂くことですが、これを達成したときの見返りはとても素晴らしいものです。

お金も社内外からの評価もアップ、ボーナスも弾んで医療機関からは感謝の言葉、自己顕示欲も満たしてくれます。

辛かったことも忘れられるくらい、勝利の美酒が美味しいので、病みつきになって抜けられない。そんな人も多いのではないでしょうか。

というわけで、MRがなぜ美味しい商売だと言われるのかをまとめてみました。

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