【書評】型を破る人の時代 – セス・ゴーディン」~つながりの経済時代の成功の鍵はアート!?~

ある晴れた休日に、ドライブをしています。

高速道路を快適に飛ばしながら、BGMにはお気に入りのバンドの曲。

前方には青空と大自然。少しだけ開けてあるパワーウィンドウからは心地よい風が入ってきています。

そんな時急に、鳥のフンがべチャッと降ってきたら・・・。

自己啓発本や啓発セミナーの類を例えるならば、ドライブ中の鳥のフン程度のものだと思っています。

もちろん多くの方に影響を与え受け取り手の人生を好転させるのならそれは素晴らしいと思います。

しかし、自分の速度で自分の車を自分の決めた目的地へ向かって走らせていた方にとっては、ワイパーでどけて洗車して流す対象でしかありません。

【書評】型を破る人の時代 – セス・ゴーディン」~つながりの経済時代の成功の鍵はアート!?~

今回レビューする本は、そんな巷に溢れる啓発本とは一線を画します。

文中にも「地図を与えること・安易な答えを提供することはしない」と高らかに宣言した箇所があるくらいです。

あっ!申し遅れました。

「ヨハン・セバスチャン・バッ・・・」こと樹クリエイションのキーユです。

今回は思い切って最近読んだ本のレビューをしてみたいと思います。

この本を一行で表すと「挑戦と挑発」

「型を破る人」の時代: “ズバ抜けた結果”を出せる人は、何をしているか (単行本)

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セス・ゴーディンさん(以下、ゴーちん)という複数のベンチャー企業の経営者(yahooの副社長も務めたそうです)からマーケティング関連書籍のベストセラー作家に転身したすごそうな人が書いた本です。

この本の特徴は、まずとにかく挑戦的なところでしょうか。

冒頭から

あなたは、まだ待っているだけの人?

見栄えのする履歴書を用意すること。

タイムカードを押し、指示に忠実に従うこと。

プライドも、夢も忘れること。

上司や取引先の機嫌を損なわないこと。

システムの一部となり、いわれたことだけおとなしくやり続けること。

そうすれば、ちょっとしたご褒美と将来の豊かな生活を提供してやろう。これが今までの賢い生き方だった。

住宅ローンにウサギ小屋、テレビのバラエティ番組をあなたに押し付けたあげく、その「かしこい生き方」を子供たちにも引き継がせようとしている。

すべては、そのいつか将来、あなたの番が来るときのために、ということなんだが_____

もう、あなたの番はとっくに来ているんだよ。

と、いう読む人によってはイラっときてしまいかねない過激な文章でこの本は始まります。

明らかに、読者を挑発しています。

また、自分の言葉でどれだけ読者の心を動かせるかという挑戦にも感じます。

そして、この冒頭文の根拠を述べていく、という構成でページは進んでいきます。

産業化時代の終焉とつながりの経済→アーティストのように働く時代

テーマとして全体に関わってくるのがこの見出しです。

機械化して、ムダとエラーを排除して効率やローリスクを追及していく産業化時代が終わりつつあること。

インターネットがもたらした新しい経済革命「つながりの経済」が台頭していること。

この2つを踏まえゴーちんは、人々は優秀な歯車として競争社会を戦うのではなく、自由で開放的でクリエイティブに働くことが求めらる時代が到来したのだと提唱します。

「アーティストのように働く」

アーティストとは、著名な画家や作家のことではなく「新しく、複雑で、活気にあふれたもの」のことであり、勇気・知恵・創造性・大胆さを駆使して現状を打破しようとする全ての普通の人々のことだと、ゴーちんは言い切ります。

そして地図の無い道を行くことそのものがアートであり、それこそが人の性であるともゴーちんは熱弁します。

そして冒頭の話に関連しますが、多くのビジネス書にあるような戦略も、変化を起こそうとする情熱が無ければ、自分の抱えてる欠乏感と本気で向き合わなければ机上の空論にしかすぎないと切って捨てます。ゴーちん毒舌!

戦略と戦術は経営コンサルタントの頭の中と表計算の冷たい世界に存在しているが、アートは自分の内側から湧いてくるもので、考え方とビジョンと決意が無ければ生み出せないのだそうです。ゴーちん素敵!

maru

 つながりの経済は、仕事を得る方法と、仕事を得たときにすべきことを変えてしまった。

音楽を聴く方法、本を執筆し、読む方法、どこで食事をするか、何を食べるか、誰と食べるかを見つける方法も。

平均的な人々の平均的な商品のうち、パっとしないものを滅ぼしてしまった。

変わった趣味を持つ人が仲間をみつけられるようになったことで、趣味に対する関心がさらに強まった。

つながりの経済によって無限の選択肢と無限の陳列スペースが確保され、注目と信頼が最重視される世界になった。

つながりの経済において能力はたいして価値のあるものではなくなり、その代り「新しく、現実的で、重要なものへの飽くなき欲望」に価値が出てきたんだ。

ゴーちんの印象的な言葉集

僕がダラダラ感想を書いていくよりも実際に心に響くゴーちんの言葉たちを抜粋していくほうが需要がある気がするので書いていきます。

ほとんどの人はずっと洗脳されてきたがゆえに、自分の仕事は世界を修正することであってデザインすることではないと、まだ信じている。

あんたは、自分のアートなんて世の中に必要とされていないと思っているの?

むしろ、アートを生み出すのを恐れているんじゃないの?

すべての人は天才である。しかし、木に登る能力によって魚を評価するなら、魚は自分を能無しだと信じて一生を終えるだろう。

標準化なくして産業化は不可能だった。いまのつながりの経済においては、独自性とアートなくして、目の前の仕事を片付けることは不可能だ。

世の中には「正解」を求める人が多いようだが、「正解」はアートを生み出すときの最大の敵だ。絶対安全な真ん中なんてどこにもない。

アートには正解はないが、あるとすれば「とてもおもしろい答え」だろう。

人間の本能は、何もせずに選抜されることを求めるけれど、その衝動を拒否し、誰も自分を選んでくれないと悟り、本当の意味で仕事に取り掛かってほしい。

間違いさがしに時間を浪費するな

どうすれば成功を確実にできるかではなく、どうすれば失敗を覚悟で行動に踏み切れるか

地図はどこにあるか、ではなく未開の地はどこにあるか

組織は才能を求めるフリをする。

同僚や上司や従業員に百万人に一人の逸材を期待しておいて、その人物を型にはめ、組み立てラインの足手まといにならないように命令する。

世界をレッテルなしに、目に見えるものの名前を知ることなく、ありのままに見なければならない。

まず少人数で、資源も権威もない状態ではじめればいい。

アートとは、「やめろ」と叫ぶ頭のなかの声とダンスを踊りながら、それでも重要な仕事をしていくことだ。

恐れと孤独を手なずけろ

てな感じです。

もちろん全部が全部鵜呑みには出来ませんし万人受けする本では無いかもしれませんが、これから起業を考えている方や変わったことをやり遂げようとしている方は一読の価値アリかなと個人的には思います。

ついでに樹クリエイションの本も宣伝させて頂きます。

この記事を書いたライター

キーユ
キーユ死にかけの不死鳥
1985年生まれ。
ギャグ記事やWEB、音楽、ゲーム、育児などを書いています。
記事制作やレビューのご依頼お待ちしています!ツイッターかお問い合わせからお気軽にご連絡ください。
著書:新種発見!69匹の愉快な生き物図鑑

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