ヴァラナシに着き、北海道から来たYさんとも仲良くなり次第にインドに慣れてきた私達。
すれ違うインド人とは笑顔で挨拶をを交わすまでになっていた。
ヴァラナシ二日目。朝の4時半に私は目覚めた。なぜならガンジス川から見える朝日を見るためだ!
前日の夜、蚊のブーン、ブーン、ぷ、ブーンというクソむかつく音との戦いに負けた私はほぼ全裸状態でベッドから起き上がった。
ベランダのドアを開けて、椅子に座り、朝の一服!これがたまらない。色んな意味で。笑
一服をしていると、ガンジス川の遥か向こうから、オレンジ色の光が少しずつ見えてきた。
うわー、神秘的や!感動的なシーンや!感動的??うん、なんとなく感動的な感じ!笑
そんなことを思いながら朝日が出てくるのを待っている時に、パッと下を、見ると、日本人なのか、韓国系なのか、はたまた中国系なのかわからないが、アジア人っぽい人が、あぐらをかきながら両膝に手を上に向けて微動だにせずずっと朝日の前で座っている。
なんかヨガの瞑想っぽい!!
と思いながら見ていた。その人は20分経っても、30分経っても全く動かずそのままだ。遂には完全に朝日が登ったのだが、ずっとそのままである。
私は日本人だったら後で話してみようと思った。7時くらいまでベランダでボーっとしたり、ブリブリ動いたりしていたら、隣の部屋のA君が起きてきてベランダに来た。
A君「メインバザールちゃうやん!」
とデリーでスラム街に連れて行かれた時の突っ込みをおはよう代りに言ってきた。
私は、「いやどう見てもメインバザールちゃうやろ!おはよう。朝日やばかったよ!」
A君「メインバザールちゃうやん!!」
会話にならなかったのでそのまま私は部屋に戻り顔を洗って長い髪を縛って外に繰り出した。
久美子ハウスの下の階段で座って、道行くインド人、川で洗濯する人、観光客相手にネックレスやポストカードを売る人、バイアグラっぽい人を見ながら、朝のチャイ(インドの紅茶)を飲みながらゆったりしていた。
そうしていると、一人のアジア人が階段を降りてきた。
はっ!!!!
さっきの瞑想してた人だ!!
私は、「あ、どーも!日本人ですか?」
思わず日本語で話しかけてしまった。
するとその人は、
「あ、どーもどーも。日本人です。」
私は、「いやー良かった!良かったってか、さっきそこで瞑想みたいなんしてましたよね??」
その人、「あー見てたんすか?ヴァラナシに来てからは毎日の日課ですわ。なんか照れますわ。」
私、「すいません、実は久美子ハウスに泊まってて、朝日見ようとベランダに居たら見えたんで気になってたんすよ!めっちゃ長い間座ってましたよね?よくわかんないすけど、よくずっとあのポーズで座ってられますね!」
その人、「久美子ハウスに泊まってるんすね。確かに丸見えですわ。長い間って言っても2時間くらいですかね。毎日やってると長い感じしないっすよ」
私、「へぇ〜!長くないんすね!ってか自分ジュイダって言います!よろしくお願いします!」
その人、「自分、Kと言います!よろしくです。」
と軽く自己紹介をしつつも、私は頭の中で、「天然ガス」のことを考えていたが、すぐに話に戻した。
私、「よろしくっす!ってか、瞑想って何考えたりしてるんすか??」
Kさん、「瞑想は色んな瞑想法があるんですわ。僕がやってた瞑想はヴィパッサナー瞑想って言って、ブッダが、やっていた瞑想法なんです。簡単に言うと、身体の頭のてっぺんから、足のつま先まで、自分の意識を移動させていくんです。それを繰り返すんです。」
私、「意識を移動させるってどういうことっすか??」
Kさん、「んー、伝えるの難しいんすけど、今、手の指先に意識を持っていってください。そうすると、指先に当たる僅かな風だったり、指先が暖かくなりません?それが意識を持っていくってことなんですわ。」
私、「あー確かに!少しだけ暖かくなってきました!なんとなくっすけどわかります!あーなるほど!」
Kさん、「そうです!その感覚です!それを頭の天頂部から足の指先まで意識を移動させていくんですよ。最初はなかなか難しいので、頭のてっぺん、喉元、肩、手、などと部分部分で意識を持っていくとできます。時間はかかりますけど。でも慣れてくると、流れるように移動できるようになります。」
私、「なんかすごいっすね!それをずっとやり続けてたんすね!」
Kさん、「ずっとやっていると、腹減ったり、トイレに行きたくなったり、タバコを吸いたくなったり、色んな邪念が湧いてくるんですけど、それを客観的に見れる自分でいれるようになるらしいです。まだ自分もそこまではなかなか難しいのでできてないんですけどね!笑」
私、「ハンパないっすね!全然理解できてないんですけど、ブッダってすごいんすね!」
Kさん、「ブッダすごいですよね。それもあって僕はインドをブッダが廻った地を順番に廻ってるんですわ。最後はネパールで終えて日本に帰ります。」
Kさんはこの後ネパールに行って、日本に帰宅するらしい。やはり只者ではない気がした私は次の日から朝、瞑想やってみようって思った。
Kさんとそんな会話をした後、またヴァラナシを散歩しに出掛けた。
ガンジス川、巡礼している修行僧、物乞いを見ながら散歩している時、私は考えごとをしていた。内容は、小さい頃に、
「ピザって10回言ってみて!んじゃここは?」
と言う人いっぱい居たな〜。ということ。
決心した!絶対そんなことには騙されないと…。
この記事を書いたライター
-
1986年生まれ。仙台市出身・在住。
あらゆるボケを担当。
趣味:高島礼子とほぼ同じ
特技:二足歩行
あだ名:フランク
病名:大腸むきだし、若年性かかと落とし
好きな子のタイプ:ややおっとり
好きなこがタイプ:はい
好きな子も一応タイプ:はい
タイプが好きな子?:いいえ
尊敬するひと:松本人志・渡部篤郎・
好きな作品:スワロウテイル・おやすみプンプン・ホムンクルス
著書:新種発見!69匹の愉快な生き物図鑑