ママ軍団の猛攻な態度に、笑い疲れた私達は少し歩いた後それぞれの部屋に戻った。
正直私は隠しきれない、少しのショックもあった。部屋に戻りベランダで歩く人々を見ながらため息をついた。
何故か悲しい気持ちが湧いてきた。
でも同時に、やっぱり生きるっていうことはすごく大変なことなんだろうな。
今まで俺はそんな苦労を味わったことはない。
毎日生きるための飯、そして時には裸足で仕事をして家族を養っていくということ、今の日本でなかなかそういう状況はないかもしれないけど、実際ここにはそういう人がたくさんいる。
俺はまじアマちゃんだった。生きるという上でアマ野郎だ!いやアマ以下だ!
部屋のベッドでそんなことを思いながら、オ◯ニーをした。
ガンジス川で大事件発生!どうするダルシム!?
午後になり、特にすることもなく外を世界一短い竹馬で散歩してると、遠くの方でガンジス川を眺めているYさんがいた。
近付いて話し掛けようとした。
ストップ!!!
私の心が体を止めた。Yさんがいつもと違う、悲しそうな表情をしていたからだ。
「どうしたのかな?めちゃセンチメンタルな顔やな」
私はシマウマを狙うチーターのごとくゆっくり近付いた……、そして、後ろから、
「ヨガテレポート!」
まるでどこからか瞬間移動してきたかのように見せかけた。
「な、なんや!?お、ジュイダくんやん」
作戦成功!
そんなダルシムのことじゃなく、Yさんの顔が氣になった。率直に聞いてみた。
「Yさんどうしたんすか?センチメンタル気分に浸ってた感じですか?笑」
「ちゃうねん…い、いや、まあ、ちょっとな。 」
「え?どうしたんすか?なんかあったんすか?」
「そんなたいしたことないんやけどな、大丈夫や!ごめん!氣にせんといて!」
「わかりました。」
絶対怪しい!!
でもあまり詮索しないようにした。人は誰でも一つや二つ何かあるものだ。Yさんから言うまで聞かないほうが良さそうだ。
私は、
「とりあえず、ボートでも乗ります?!」
「そうやな、あ、ジュイダくんお金ある?ちょっと今手元になくてさ。」
「ボート代ぐらい任してください!んじゃ乗りましょう!」
私とYさんはボート屋の兄ちゃんに声を掛けて向こう岸までのボート一隻をチャーターした。
そして1人の兄ちゃんがボートを漕ぎ、私とYさんは一服しながらヴァラナシの景色を見ていた。
少しの間沈黙が続いた。
タイミングを見計らったのか、Yさんが急にボートの兄ちゃんに何か話しかけていた。いまいち内容は聞き取れなかったが、Yさんの雰囲気がいつもと違ったことに私は違和感を感じていた。
15分もかからないうちに対岸に着いた。
3人ともボートを降り、少し歩き出した。Yさんとボート漕ぎの兄ちゃんの足取りはまるで迷いがないようにある場所へと向かっていた。
その先には、テントがあった。
ん?なんだここは?誰かいるのかな?と私の頭は[[?マーク]]でいっぱいだった。
仙人に会い、事件は解決へと向かうのであった
2人に続いて私もテントの中に入っていった。
そこには1人の仙人みたいな老人がいた。
「ナマステ〜」
と言いながら入っていった。
すると、
Yさんが老人に頭を下げながら何か話していた。
ん?どうしたんだ?!
中の老人はYさんの話を母のような目で聞いていた。
話が終わると、老人は枕のようなクッションの下からあるものをYさんの前にだした。
あ、あれは……。
Yさんが、泣きそうな顔でありがとう、ありがとうと連呼していた。
あるものとは、パスポートとお金が入ったウエストポーチだった。
Yさんの顔はこれだったんだ!確かに海外でパスポートとお金落としたらあの顔になるのわかる。うん、すげ〜わかる!
なぜなら私も最近はだいぶ減ったが、一年に一回は財布を落とすおっちょこちょいだったからだ。
海外だったら何回死んでるかわからない。そのくらい海外で財布関係を失くすことは大変なことである。
Yさんと私とボート漕ぎの兄ちゃんはテントを出た。Yさんは私にこう言った。
「ジュイダくん、まじでありがとう!あの時ジュイダくんがボート乗りましょうって言ってくれなかったらどうなってたか。
ごめんな、なんも言わへんで。
でもなかなか言えるような感じではなかった。
午前中に俺ボート乗ってあのテントに行ってさ、あの老人[ババジ]って言うんやけど、ババジのとこで少しババジと喋ったりしたんやけど、そん時にウエストポーチ外してて、そのまま忘れてん。
それで気付いたのは向こう岸に着いたあとで、金もないし、向こう岸にも行けへんし、みたいな。
その時にジュイダくんが来てボート乗せてくれてタイミングすごいわ!みたいな。
ほんまありがとう!!」
「そうだったんすね!いやー、なんも知らんかったとはいえヨガテレポートとかまじスンマセン!笑
「いやいやいやむしろありがとう!」
とりあえず一件落着なんで一服しましょうよ!(^○^)
この記事を書いたライター
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1986年生まれ。仙台市出身・在住。
あらゆるボケを担当。
趣味:高島礼子とほぼ同じ
特技:二足歩行
あだ名:フランク
病名:大腸むきだし、若年性かかと落とし
好きな子のタイプ:ややおっとり
好きなこがタイプ:はい
好きな子も一応タイプ:はい
タイプが好きな子?:いいえ
尊敬するひと:松本人志・渡部篤郎・
好きな作品:スワロウテイル・おやすみプンプン・ホムンクルス
著書:新種発見!69匹の愉快な生き物図鑑